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雄松堂書店>DVD-ROM版 小林多喜二 草稿ノート・直筆原稿

草稿ノート2000ページ、直筆原稿800枚を一挙公開

プロレタリア文学の旗手、多喜二の創作過程に迫る
小林多喜二 草稿ノート・直筆原稿

小林多喜二 草稿ノート・直筆原稿 [DVD-ROM版]
編   集: 小林多喜二直筆資料デジタル版刊行委員会
島村 輝(フェリス女学院大学教授)
日高昭二(神奈川大学教授)
荻野富士夫(小樽商科大学教授)
ノーマ・フィールド(シカゴ大学教授)
仕様・形態: A5判解説+DVD-ROM1枚(Windows対応)
価   格: 本体100,000円+税
ISBN 978-4-8419-0574-8
原本所蔵機関

日本共産党中央委員会
財団法人日本近代文学館
薩摩川内市川内まごころ文学館
市立小樽文学館
北海道立文学館
多喜二ライブラリー(佐野力)

 2008年初頭に巻き起こった小林多喜二(1903-1933)「蟹工船」再評価の動きは、折からの世界的経済危機とその国内への反映を背景として、今日にいたるまでさまざまな方面で展開されてきた。「蟹工船」は、さらに多くの外国語へ翻訳され、その世界的な広がりが注目される。それと同時に、この作品の本文、異本などの成立過程についての関心が高まっている。また一方で、「蟹工船」を書いた小林多喜二という作家の生涯と文学性を解明しようとする動きも現れている。

 特に創作の第一歩を示す草稿については、従来一部が『小林多喜二全集』に紹介されているのみであったが、日本共産党中央委員会の所蔵となったのを機会に、今回このDVD版企画となった。あわせて、各地の文学館等に分散所蔵されている直筆原稿、多喜二が単行本化前に手を入れた新聞連載の切り抜き、伏せ字を施される前のゲラなども直筆原稿に準ずる物として収録した。

 それらを草稿ノートデータベース・直筆原稿データベース・作品(初出誌)データベースとし、それらすべてに専門家による解題を付す。これにより多喜二の創作過程の源流から河口までを、緻密に検証することが可能となる。

収録内容

■ 主な作品

草稿ノートおよび直筆原稿にあらわれる主な作品をとりあげ、初出の誌面を収録し、解説を付して草稿から単行本にいたる過程を概略できるようにした。対応する直筆資料はないが、多喜二が変名で発表した全集未収録作品も収録。

作   品
初 出 誌
「老いた体操教師」 「小説倶楽部」1921年10月
「スキー」 「国民新聞」1921年10月30日
「人を殺す犬」 小樽高商「校友会々誌」1927年3月
「万歳々々」 「原始林」1927年4月
「田口の「姉との記憶」」 「北方文芸」1927年6月
「女囚徒」 「文芸戦線」1927年10月
「防雪林」 「社会評論」1947年11〜48年1月
「一九二八・三・一五」 「戦旗」1928年11〜12月
「蟹工船」 「戦旗」1929年5〜6月
10 「不在地主」 「中央公論」1929年11月
11 「戦ひ」(「不在地主」第12-15章) 「戦旗」1929年12月
12 「暴風警戒報」 「新潮」1930年2月
13 「救援ニュースNo.18.附録」 「戦旗」1930年2月
14 「工場細胞」 「改造」1930年4〜6月
15 「オルグ」 「改造」1931年5月
16 「壁小説と『短い』短篇小説」 「新興芸術研究」1931年6月
17 「独房」 「中央公論」1931年7月
18 「安子(「新女性気質」)」 『地区の人々』(改造社 1933年)
19 「転形期の人々」(序編) 「ナップ」1931年10〜11月
「プロレタリア文学」1932年1〜4月
19 「転形期の人々」(前編) 「改造」1933年6月
20 「故里の顔」 「女人芸術」1932年1月
21 「文学の党派性」確立のために 「新潮」1932年4月
22 全集未収録「赤旗」掲載分 「赤旗」1932年4月〜8月
23 「文芸時評」 「中央公論」1932年6月
24 「地区の人々」 「改造」1933年3月
25 「党生活者(「転換時代」)」 「中央公論」1933年4〜5月

■ 草稿ノート

草稿ノートに付した番号は便宜的なものである。特に記載のないものは日本共産党所蔵。

草稿ノート(1)
「姉との記憶」ほか
草稿ノート(2)
「雪の夜」ほか
草稿ノート(3)
「その出発を出発した女(中編)」
草稿ノート(4)
「営養検査」ほか
草稿ノート(5)
「誰かに宛てた記録」ほか
草稿ノート(6)
「(一九二八・三・一五の続)」ほか
草稿ノート(7)
「蟹工船」
草稿ノート(8)
「不在地主」
草稿ノート(9)
「暴風警戒報」ほか
草稿ノート(10)
「工場細胞」
草稿ノート(11) 「工場細胞」
草稿ノート(12) (表紙欠損)「オルグ」(日本近代文学館所蔵)
草稿ノート(13) 「独房」ほか
草稿ノート(14) 断稿「転形期の人々 序編」(市立小樽文学館所蔵)
析々帳 1926年5月26日から1928年1月1日までの日記


■直筆原稿

直筆原稿のほかに、原稿から起こされ伏字の指定がされる前のゲラと、単行本収録にあたって本人によって書き入れがされた新聞小説の切り抜きを直筆原稿に準ずるものとして収録した。

「老いた体操教師」(日本共産党所蔵) 5枚
「蟹工船」(日本近代文学館所蔵) 91枚
「不在地主」(多喜二ライブラリー(佐野力)所蔵) 冒頭から3枚
「不在地主」(日本共産党所蔵) 116枚(#30〜145)
「工場細胞」(川内まごころ文学館所蔵) 188枚
「壁小説と『短い』短篇小説」(日本近代文学館所蔵) 7枚
「新女性気質」(「都新聞」切り抜き)(日本共産党所蔵) 69回分
「転形期の人々(前篇)」(日本近代文学館所蔵) 49枚
「故里の顔」(北海道立文学館所蔵) 6枚
「「文学の党派性」確立のために」(日本共産党所蔵) 42枚
「文芸時評」(日本近代文学館所蔵) 33枚
「地区の人々」(日本近代文学館所蔵) 106枚
「党生活者」(中央公論版ゲラ)(日本共産党所蔵) 87頁分

源流から河口まで創作過程を緻密に検証

 これまで創作の第一歩を示す草稿については、『小林多喜二全集』に一部が紹介されているのみであったが、2008年に日本共産党中央委員会の所蔵となり、今回このDVD版に収録することができた。また、各地の文学館等に分散所蔵されている直筆原稿、多喜二が単行本化前に手を入れた新聞連載の切り抜き、伏字の指定が施される前のゲラなども直筆原稿に準ずる資料として収録した。さらに多喜二が地下活動中に変名で発表した全集未収録作品も加えた。

苦闘の草稿から完成誌面までを追跡

蟹工船(拡大画像がご覧いただけます *別ウィンドウが開きます)
直筆原稿
初出誌「戦旗」1920年5月号
草稿ノート(7)より
工場細胞(拡大画像がご覧いただけます *別ウィンドウが開きます)

小林多喜二
1903(明治36)年秋田県生れ、4歳で北海道小樽市に移住。小樽高商時代から積極的に執筆活動を行い、旧北海道拓殖銀行に就職後、酷使される労働者の実態を描いた「蟹工船」「不在地主」などを発表。30年に上京、33年に特高警察の拷問によって死亡した。本格的な執筆活動期間は5年に満たないが、プロレタリア文学史上に残る数々の傑作を生んだ。

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「改造」直筆原稿 画像データベース
DVD版ディスク1枚、付録研究論文集
ISBN 978-4-8419-0460-4
好評発売中
定価300,000円+税