まずはトライアル!







直に基本資料と向き合いたい学生にお勧めです
青山学院大学 経済学部 准教授 高嶋 修一 先生

マイクロ版「営業報告書集成」がデジタル・オンライン化されたことによってのメリットはどこにありますか?
  普段から自分の受け持っている学生には、もし企業を研究するんだったら営業報告書は最も基礎的な史料だから必ず見なさいと言っているんですが、青山学院大 学では以前のマイクロ版を部分的に収蔵しているだけだったので、結局ほかの大学にみせてもらいに行っていました。都区内なので大した距離ではないのです が、他大学の図書館まで行ってマイクロを見せてもらい、コピーしてくるというのは、卒業論文などを書こうとする学生にはそれなりにハードルが高かったよう です。「企業史料統合データベース」(以下BAO)だと見たい資料が企業ごと、年代ごとに区切って検索できるので、資料へのアクセスが断然スムーズですよ ね。
  私自身も、マイクロに比べ「使う」ことに対するハードルが低くなったので、ちょっと調べたり確認したりする時に使っています。マイクロを使っていた頃は、 目録にあたって業種を見て、企業名を見て、どのリールに入っているんだろうと探すところからスタートしていたので大変だったんですけど、BAOだと企業名 なり年代ですぐ検索できるので大変便利です。プリントアウトしてもきれいに出ますしね。ずいぶん変わったな、という印象です。

実際にBAOを使っている先生や学生さんの評判はいかがですか?
  大学院に新潟県の港湾会社について研究している学生がいるのですが、1920年代から1940年代までの20数年間を研究対象としています。最初に取り組 んだのは卒論だったのですが、そのときにはマイクロ版しかなかったので他大学に行って史料を集めていました。現在はそれを発展させて修論にしようとしてい るんですけど、今度からはBAOで済むんですよね。
  学部生だとマイクロフィルムから焼くのに1枚何十円もとられるのを嫌がるという事情もあります。私は普段から学生に対し、卒業論文を一本書くのに文献や史 料収集、交通費などあわせて大体10万円くらいかかると言っているんですが、そうはいってもコピー代を惜しんでしまうみたいで、結果的にコピーをあまり とってこない学生もいますね。まじめな学生は全部とってくるんですが…。BAOになってからはそういったお金も節約できますし、手元のプリンタを使ってど こでも出力できるようになったので便利です。

プリントアウトのしやすさが使い勝手を良くしている、ということでしょうか?
  そうですね。こういうふうに電子化が進んでも、実際にペーパーレスでやるかっていったらそうでないと思います。ですから、学生にはとにかく全部プリントア ウトしてファイリングしなさいって言っています。束にして常に持ち歩いて、面倒くさがらず徹底的に何回も読み直して、財務諸表などに載っている情報も全部 整理するところから始めなさい、と。私自身も企業を分析したり、社史を書いたりする時はプリントアウトして利用しています。やはり通覧できるというのは使 い勝手が良いですし、マイクロだとピントや明るさにむらがありますから、せっかく焼いたつもりでもちゃんと画像が見えない時がありますよね。

リーダーの性能にも依存しますしね。
  そうなんです。マイクロだと、リーダーの性能によってはなかなかきれいに出ないんです。あと、マイクロのリーダーはずっと見ていると目に対する負担がすご いんで、まだパソコンの画面のほうがマシなのではないでしょうか。はっきり映るからそこは使いやすくなりましたよね。原則は全部プリントアウトするんです けど、ちょっと調べたい時などにはパソコンの画面で事足りますからそういう使い方もできますね。それから、目当ての史料がすぐに見つかるので、マイクロみ たいにどこだどこだと巻く必要がないですよね。
 一つ質問なんですが、マイクロ版ではものによっては冊子ののどの部分が黒い影になって見えにくいものがありましたが、そういう画像はBAOにする時に改善したんですか?

特に変えていませんが、スキャン時に明度の調整はできるので、マイクロで黒すぎるものはそこで明るさを調整しました。
 以前、『西日本鉄道百年史』という社史を書いた時にずいぶん営業報告書にお世話になったのですが、いくつかの営業報告書はのどが黒くて読めないものがあったので、その分に関してはその会社で保管していたものを使いました。

製本を解体していいものは解体して撮影したのですが、どうしても解体させてもらえない場合もあるので、黒くて見えにくいものもなかにはありますね。
  そのあたり、全部チェックするのは大変なので、ユーザーのフィードバックで少しずつ改善していってもいいですよね。マイクロと違いデータ差し替えるだけで すから。例えば、論文データベースであるCiNiiでは、フィードバックの仕組みを使って、この人とこの人は同姓同名でおんなじ人物ですよ、とか簡単に報 告できます。これは手軽で使いやすいと感じています。J−DACもそういう風にフィードバックが手軽にできる仕組みが組み込まれていたらいいですよね。

実は我々も研究者の方々から簡単にフィードバックがいただけるような仕組みを現在検討しているのですが、なかなか進んでいなくて…
  フィードバックに関して希望を言わせていただくと、メーラーを開くのではなく、例えば「フィルムの切り方が適切でない」「陰ができている」「画像が不鮮明 である」「印刷がきれいに出ない」という風にある程度チェックボックスを用意して、簡単に送れるようにしていただけるとありがたいですね。これだと、その 場でパッとできるからユーザーの協力も得やすいわけで、いちいちメーラーが開いてメールを送る仕組みだと、あまりやってもらえないと思います。できれば、 史料のコード番号やファイル名をわざわざ打ち込むのではなく、フィードバックの仕組みのなかで自動認識してもらえるとベストです。
  話は飛びますが、国会図書館のデータベースで年代不詳になっている本なんかも、研究者が見て年代が特定できるときもありますから、簡単にフィードバックが できればいいですよね。ユーザーにしてみれば、あくまで自分の調査のために史料をみているわけですから、なるべく手間がかからないようにしておくことが フィードバックを得る近道かと思います。

素晴らしいご指摘、ありがとうございます。ぜひ検討させていただきます。さて、最後にBAOについて改善してほしい、あるいは付け加えてほしい機能はありますか。
  キーワードを使って企業を横断的に検索できたらいいですね。現時点ではpdfファイルですから、そうではなくデータとしてデジタル化するか、あるいはそれ らを読みとる技術がもっと発達してからだと思いますけど。たとえば企業の規模、資本金や従業員数といった要素で抽出できりしたら嬉しいですね。まだまだ後 の話になるのでしょうけど。
  あと、すぐに出来そうなところでは拡大縮小機能がもう少し簡単にできたら使い勝手がもっとよくなると思います。今はボタンをクリックして拡大縮小してるん ですが、マウスのホイールとかタッチパッドとかで感覚的にできるようになるといいですね。ページ繰りは直感的で早くていいです。

貴重なお話をありがとうございます。もっともっと使いやすいものにしていくべく、これからも精進して参りますので、引き続きよろしくお願い致します。









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