Vol.98 2014年 秋の各種イベント

「第16回 図書館総合展」

第16回 図書館総合展

第16回 図書館総合展

ブースの様子

ブースの様子

雄松堂書店が企画・運営している秋の行事は好評のうちに終了いたしました。図書館関係者をはじめ、図書館を利用している多くの方々にとって恒例のイベントである「図書館総合展」がパシフィコ横浜で開催され、今年も3万人を超す皆様にお越しいただきました。図書館総合展の展示会場の盛り上がりは勿論、100以上を数えるセミナーは、どの会場も満席に近く、盛況のうちに幕を閉じました。図書館総合展は今まで、図書館のあるべき姿を追求すること、出版界との関係を考えること、そして読書の習慣を推進することなどについて、常にオピニオンリーダーとして多くの提案を行ってきました。また最近では政府関係機関を交えた討議の場所としての役割も大きいものとなってきています。出版界では学術専門書について図書館市場での重要性が改めて注目されており、出版界の発展や、図書館の機能の効率化などについて前向きな意見が発表されるなど、図書館総合展は、出版界や図書館界に定着したイベントとして、今後も更なる発展が予想されています。
 

「第7回 ゲスナー賞授賞式」

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第7回ゲスナー賞授賞セレモニー

第7回ゲスナー賞授賞セレモニー

図書館総合展会場内の公開ホール型の会場で、雄松堂書店主催のゲスナー賞授賞式を多くの皆様の前で披露し、無事終了することができました。授賞セレモニーの後は樺山紘一先生、高宮利行先生、林望先生の三名の審査委員の皆さんにゲスナー賞の意義や今回の選考にあたってのコメントを“愛書家ヘのメーセージ”として約一時間にわたりスピーチをしていただきました。11月6日、朝の最初の枠に横浜で行うという会場の条件はご参加希望の皆様には大変ではないかと心配しておりましたが、300名収容の会場が11時ごろにはほぼ満席となり、本当に良かったと思っています。今回のゲスナー賞を終え、改めて日本の書誌学、書物学などの分野が先進国の中でもトップクラスのものであると確信いたしました。7回を重ねたゲスナー賞にはすでに総計600点以上の応募作品が寄せられており、それらのすべては駿河台の明治大学図書館開架書庫で一般に公開されています。ぜひ一度明治大学ですべての応募作品をご覧いただければ幸いです。
当日の三名の審査員の皆様がスピーチにおいて強調した“本を買いましょう、読みましょう、大事に保存しましょう”これが愛書家へのメッセージであったのではないかと考えます。文献や情報の電子化、そしてアーカイブス型の蓄積情報の電子化はこれからさらに促進されていき、それに対応して図書館も役割が変化して行くでしょう。10月末にNYに出かけた際に、いくつかの図書館や大手の版元を訪ね感じましたが、近頃国際的にも良い本を作ろうという機運が旺盛のようです。私たち人類には本が必要なのです。“本の役割とはただの情報源である”と割り切りたくはありません。
最後になりましたが、「第16回 図書館総合展」への各機関、企業のご協力、参加された多くの皆様に主催者として深く感謝いたします。
 

様々な“集い”と2015年のテーマ

毎年11月当社は、いくつかの成果をお客様にお知らせしたり、日頃の感謝を表すための“集い”を開催しています。この“集い”について簡単に報告させていただきます。
 

「国際法曹協会(International Bar Association、IBA)」

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「国際法曹協会(International Bar Association、IBA)」

「国際法曹協会(International Bar Association、IBA)」

有楽町の東京フオーラムを中心に開かれた「国際法曹協会 IBA」の大会は、今年日本で開催された国際規模の大会の中でも屈指のものでした。天皇皇后両陛下のご来臨をはじめ、安倍総理の話題になったスピーチなど、大変注目を集めました。
法律情報を発信する世界中の著名な出版社、通信社の中で日本からは数社のみの参加でしたが、ハイレベルな展示会に参加できたことは喜ばしいことでした。各ブースともいろいろな企画を発表しておりましたが、興味深かったのは例年になく印刷媒体の企画が多かったことです。当社は海外からの法律出版情報を国内の研究機関や法律関連機関に提供・販売することで国内トップの実績を上げていますが、国内の国際化が進む中で情報発信企業としての古い体制からの脱皮も必要ではないかと感じました。
 

企画の発表

図書館総合展における『アメリカの鳥』の展示

図書館総合展における『アメリカの鳥』の展示

『アメリカの鳥』製本版

『アメリカの鳥』製本版


10月初めのフランクフルト書籍見本市会場内に於いて、オランダで創業三百年の老舗学術出版社であるBrill社のブースに刊行直後のオーデュボン『アメリカの鳥』(Birds of America John James Audubon)を展示しました。(先程述べた図書館総合展の雄松堂ブースでも特別コーナーを設けて完成品を展示し、たくさんの御来場者から大きな反響がありました)私が今回NYに出かけて現地の主力書店との販売協定の交渉に入ったのも、『アメリカの鳥』のようなファクシミリ版作成と同企画であり、2015年事業の主要テーマで、輸入だけの洋書ビジネスモデルからの転換が必要だとの考えからです。印刷、製本も繊細かつ豪華な書物は今日本が最高技術を持つ国の一つであるという評価が定着しつつあります。円安に戸惑うことなくバランスのあるモデルの構築が2015年の目標です。
 

図書館総合展「雄松堂フォーラム」と稀覯書展の「古書談義」

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図特別対談会「日米交流の幕開け ペリー来航と日米和親条約」

図特別対談会「日米交流の幕開け ペリー来航と日米和親条約」

図書館総合展の初日フオーラム会場において、当社主催の“ペリー提督来訪160周年”に関わるセミナーを開きました。この時、上記のオーデュボン『アメリカの鳥』が将軍に寄贈され、その後行方が不明になっていたことも話題の一つでした。まだ写真技術の乏しい時代に、日米の著名な画家の描いたペリー上陸に関する絵を通じて当時を理解することは意義があるという、加藤祐三先生、岩下哲典先生という著名な専門研究者による画面を駆使した講演会は好評を博しました。またフォーラムでは、当社が“ペリー提督来訪160周年”の記念に刊行した『金海奇観』の完全複製も紹介していただきました。

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雄松堂書店国際稀覯書展

雄松堂書店国際稀覯書展

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古書談義「哲学者ヘーゲルの自筆書き込み本の発見について」

古書談義「哲学者ヘーゲルの自筆書き込み本の発見について」

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古書談義「西洋・日本の古書蒐集の愉しみ」

古書談義「西洋・日本の古書蒐集の愉しみ」

11月13・14日には、本社ビルで開かれた国際稀覯書展にあわせ、古書談義を開催しました。初日の「哲学者ヘーゲルの自筆書き込み本の発見について」は、明治学院の寄川条路先生が講演され、折から新聞紙上でその発見が話題になった後だけに多くの方にご聴講いただきました。二日目は西洋古書収集家としても有名な東京女子大の原田先生の「西洋・日本の古書蒐集の愉しみ」は原田範行先生所有の稀覯書を見せていただきながらのまさに楽しい講演会でした。 雄松堂は値段などに関係なく、ぜひ多くの皆様に『本の収集』をお勧めしたいと考えています。最近でも三十年ぐらい前に私どもから10万円で購入された本を、30万円で買い戻させていただき感謝されました。楽しいだけではなく本は財産となる一例です。
 
月末には西洋の稀覯書を扱っている日本橋丸善内のWorld Antiquarian Book Plazaにて、オープン三周年記念として、19日と22日の夕刻からお二人の講師によるギャラリートークや、特別展示などを華やかに開催いたしました。イベントは終了致しましたが、毎日夜8時まで営業しておりますので日本橋にお越しになった際にはぜひ丸善3Fにお立ち寄りください。
 
2014年12月