Vol.94 すべてが変化する中で新しいモデルは何か

今年も桜が咲きました

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雄松堂が本社ビルをここ坂町に移転したのは2010年5月でしたので、ビルの前にある防衛省の桜の花を眺めて「春が来たな」と年輪を感じるのも4回目となります。2011年3月11日の大地震の際は本棚から本が落ちるなどして大変でしたが、企業としては大日本印刷の提唱で発足した丸善CHIホールデイングスの参加企業として、安定化の基盤は出来上がりましたので、折から構造不況業種の中にあるといわれている書物の流通分野で、専門性を活かしながら内外にその存在価値を示して行きたいと思っております。
売り上げに占めるオンライン型の商品が急増したり、為替の変動によるロスを生じたりして営業利益減少化の傾向が2年にわたり続いています。
 

すべてが変化する中で新しいモデルは何か

  • 当社の主力顧客である大学の資料購入予算が減ってきている。消費税アップの分だけ少なくとも売上減は免れない。
  • 特に私立大学などに対する国からの書物、資料購入のための補助金型の予算配分は激減している。
  • 図書館が出版界の中で大事な市場になりつつある。
  • 著作権法も変わってきており、コンテンツ型の情報が拡大し、当社のビジネスモデルも変化せざるを得ない。
  • 誰が競争相手なのかわりにくい時代になった。
  • 本はどこで買っても同じなので、買うなら早く、安いほうが選ばれるのは当然。
    アマゾンに勝てるモデルは構築可能なのか?本を書く動機はなにか?
    E-bookタイプの本とリアルの本のシェアーの未来図を読めるのか。

雄松堂に求められている専門性とは何かを模索しています。西洋稀覯書の取り扱い分野では国内外から高い評価を得ています。雄松堂は海外の一流情報発信企業から日本における総代理店としてパートナーとして評価されています。また、常に新しいビジネスモデル(図書館総合展の運営など)に向けて挑戦する行動力も評価されています。今後、さらに新しいチャレンジが期待できると思っています。
 

本や企画は時代が変わっても評価される

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ルター聖書

ルター聖書

本年度の年始めに、当社はヨーロッパから珍しい古書を購入しました。日本に初めて紹介された古いルターの聖書版本です。すでに有名な大学図書館へ納入させていただきました。さらに雄松堂はこの40年の間に数多くの名著を輸入して、日本の大学やある時は再び海外に販売(ヨーロッパから輸入してアメリカの大学に販売)したりしてきましたが、ほとんどすべての本が販売当時から比べて最低でも2倍ぐらいの価格になっています。日本の為にもお客様の為にも立派な仕事が提供できたと誇りを持っています。
こうして当社が輸入した数々の名著やコレクション類について、私の最後の仕事として一冊の本に纏めてみたいと思っております。
 
今年はペリー提督が日米和親条約を結んで丁度160年になります。ペリーのその後の日本に与えた大きな影響について、将軍家に献上した書物を含む珍しい品物に焦点を当てた企画を準備中です。東西交渉に関する多くの書物を刊行し、洋書を輸入してきた当社の事業として集大成の企画にご期待ください。
 

これからのスケジュール(内定含む)

  • 4月11日~13日
    国際古書籍連盟主催 古書展 パリグランパレ 雄松堂書店(出展)
  • 4月12日
    ILAB国際書誌学賞表彰式 パリグランパレ 審査員として参加
  • 5月30日
    専門図書館協議議会年次大会 東商ビル  講演者として参加
  • 11月5~7日
    カルチャー・ジャパン企画運営、第16回図書館総合展 パシフィコ横浜
  • 11月21~3日
    香港国際古書展(出展)香港ルネッサンスホテル
  • 11月28~29日
    Yushodo Forum 2014 & Antiquarian Bookfair  日比谷図書文化館

 
2014年4月