Vol.84 世界の古書市場動向/Yushodo 80th Anniversary

7月半ばから日本では暑い日が続いています。一方、ヨーロッパはTVでオリンピック放送を見ている限り10度台、昨日来たフランスの友人からのメールによると、今年は凌ぎやすいとのこと。夏は暑い方が景気は良くなると言われていますが、本屋にとってはどうでしょうか?
 

世界の古書市場動向

最近は、フランスの一部書店を除き、世界中の古書店が立派な目録を競うような傾向は影を潜めました。オンラインの出現により、ウエブサイト上の在庫目録の発信や、特定の相手や顧客にe-mailによる発信が盛んになっているようです。世界の古書業界を束ねる国際組織ILAB(国際古書籍商連盟)も世界中の参加業者2000のために共同サイトを設けています。特にアメリカあたりが音頭を取って、組織としてもこの傾向に一気に拍車がかかってきています。
また一方、世界中で開催されている国際古書展はさらに増える傾向にあり、つい先日のロンドン展は会場の変更もあり、昨年に比べて20%ぐらいの売上増だったと報告されました。
日本でもそうですが、じっくり古書店を訪ねて掘り出し物を探したり、ご店主とゆっくり話をするタイプの客筋は減ってきたのでしょうか。いずれにせよ図書館や機関が主要な客となりつつあり、個人の愛書家の客筋は減ったようです。
ヨーロッパを中心とする経済不安は「金よりモノ」の傾向を強めているのでしょうか。最近の欧米のオークションでは、トップクラスの品物が大変高い価格で落札されています。
円高傾向の昨今、日本の業者としては、一般的な研究者向けや図書館向けの古書を一気に購入するチャンスと思うのですが、日本の西洋古書市場は1980年代頃と比べると、30-50%ぐらい縮小していると思われるので、このチャンスをどう活かすか慎重に検討を重ねております。
そうした中でも世界中で古書展は開かれています。実物を手に取ってみて初めて価値が判るのが古書類の特徴です。ネットとお店、そして古書展を上手に利用してください。
 

Yushodo 80th Anniversary

以前このブログでお知らせしましたが、雄松堂書店が1932年に神田の神保町に古書店を創業し、1960年に専門洋書の輸入を始めてから52年になります。お陰様で、今年は創業80周年になります。この8月から来年7月までの一年間、いろいろな企画を検討していますが、行事そのものよりもむしろ今日まで雄松堂の歴史を支えて頂いた多くのお客様やお取引先、そして一生懸命頑張ってきた多くの社員に感謝の心を持ちながら、新しい時代に世界の中で存在価値のある企業になることを誓う1年でありたいと思っています。
90周年へのビジョンは一口で言うと「雄松堂からYushodoへ」の一言に尽きます。

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11月20日(火)から22日(木)までパシフィコ横浜で当社グループ企業カルチャー・ジャパン(JCC)が主催する第14回図書館総合展、そして日比谷図書文化館で11月26日(月)27日(火)の両日予定している国際古書展・雄松堂フォーラム2012年において、当社80年の成果を皆様にお知らせできるイベントを計画しております。
なお当社は6月22日(金)から24日(日)まで韓国のソウルへの社員旅行を実施させていただきました。世界で最も古い活版印刷が行われた大田にある印刷博物館の訪問、韓国古書業界の皆様との交流の件などを当社のウエブサイト(英語版)に報告いたしましたので、是非ご覧ください。

 
2012年8月