Vol.81 創業80周年-2012年の幕開けにあたって

創業80周年─2012年の幕開けにあたって

雄松堂は神田神保町に資料類に特化した専門古書店として1932年に創業してから今年満80周年を迎えます。海外資料の輸入という、当時としては全くベンチャー的な業務に特化すべく、東京四谷に株式会社として戦後にスタートを切ってから52年になります。
早いもので都内の事務所を統合して、現在の新社屋に移ってから2年近くになります。
また2月1日には、大日本印刷「DNP」が書籍、情報流通事業の発展のためと呼び掛けたCHI(知)チャレンジに参加し、丸善CHIホールデイングスの事業会社の一員となってからはじめての1年連結決算を迎えます。
 
80年、そして四谷時代の50余年で経験し、力を合わせて突破してきた経験や実績からは全く想定できない時代に入ってきていると思わざるをえません。多くの関係者は、いまだ実感していないかもしれませんが、古書、出版、輸出入等の仕事を通じて、海外の人たちや図書館や研究者の皆様との交流から経験を得た私の直感では「本産業」は全く新しい局面を迎えていると思います。日本の図書館や、研究者、読者は何を求めているのか、またどんな情報をどのように提供していくのか試行錯誤の時が流れています。
雄松堂には私とともに苦労して頑張っている経験豊かなスタッフがおります。そして現在のブランドと現在の力を作るために努力された先輩スタッフの社風が息づいています。外資のアジア戦略、英語と日本語の関係、ネット情報の未来、図書館の変貌、丸善CHIホールデイングスの中で雄松堂のCEOとして、そしてMCHの役員としての私自身役割を自覚して、少しでも明るい未来像の構築のために全力を尽くしていきたいと思っております。
 

海外との協力をどう具体化するか

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The Launching of The Papers of Lee Kuan Yew in Tokyo (2011.12.14)

The Launching of The Papers of Lee Kuan Yew in Tokyo (2011.12.14)

昨年12月弊社は、シンガポールに拠点を持つ出版産業大手、センゲージ・ラーニング社がシンガポールの首相として同国を世界屈指の地位に築き上げたリー・クワンユー氏の講演等をすべて集約し、活字出版として刊行するという大事業に参画することになりました。リー・クワンユー氏と日本との交流の歴史が、アジア近代化に大きな影響を与えたことは周知のとおりです。9月末の現地での出版披露の会に続き、12月新装となった日比谷文化図書館でセンゲージ・ラーニングと2社主催によるセミナーを開催いたしました。東京商工会議所やシンガポール協会等の協力により弊社としても全く新しい客層に国際協力としての新事業を披露することが出来ました。
 
弊社と相互に業務提携し、資料のマイクロフィルム、デジタル化事業を展開している台湾のトランスミッション社と台北に合弁の新会社を設立して、中英の翻訳事業、さらには中国本土との資料デジタル化事業等を発展させていくという計画が本格化してきました。
この周辺の事業化は雄松堂に課せられた宿命であり、責務と思っています。

ワールド・アンティーク・ブック・プラザ

ワールド・アンティーク・ブック・プラザ

2月の特集テーマは「歴史的な大作家達と出会う」です

2月の特集テーマは「歴史的な大作家達と出会う」です

昨年11月末、丸善日本橋店3階に「ワールド・アンティーク・ブック・プラザ(WABP)」がオープンしてから、ちょうど2か月が経過しました。マスコミなどに大きく取り上げられた関係で多くの皆様のご来場をいただきました。誰でも知っている世界的な名著の初版や、有名人の自筆等がこんな値段で入手できるということは一般的には全く初めての事です。この2か月でネットではなく実物を手にとってご覧いただけることもあり、今までこの種の書物を買ったことのない方も含め、すでに2-30名の方に私どものお客様リストに加わっていただきました。アマゾンドットコムなどネット書店とは全く違う世界です。
この企画に賛同していた海外11カ国、20余の著名古書店や総支配人として先頭に立って頑張っているシュタインバッハさんの協力のおかげですが、これから1年を大事な期間としていろいろな催しや特別展も企画してまいりますので、ぜひ高島屋日本橋店前のワールド・アンティーク・ブック・プラザにお立ち寄りくださいますようお願いいたします。
 

J-DACいよいよスタート

企業史料統合データベース

企業史料統合データベース

ジャパン デジタル アーカイブ センター

ジャパン デジタル アーカイブ センター

Japan Digital Archives Center (J-DAC)プロジェクトは当社がDNPとの共同事業として開始し、さらに丸善CHIホールデイングスに参加するきっかけになった事業です。約2年に及ぶ当社の編集スタッフとサーバーを担当するDNPとの間で努力してきましたが、ようやく商品として公開する日が近づきました。欧米にてマイクロフイルムの版元はすでに大量のフイルム化されたコンテンツをオンライン型商品として発信し、市場のニーズに応えてきましたが、当社が保有する300万フレームを超すコンテンツを、徐々にデジタル化してオンラインにて提供するという事業の第一歩として注目されています。すでにフイルム化されたもの以上に日本の基礎アーカイブズを商品化するという、DNPと雄松堂が目指してきた夢が今開花しようしています。営業上も貢献すると確信しています。
 
2012年2月