Vol.75 電子化時代、雄松堂の役割と責任

電子化時代、雄松堂の役割と責任

図書館総合展

図書館総合展

図書館総合展で行われた雄松堂のセミナー

図書館総合展で行われた雄松堂のセミナー

ドナルド・キーン氏講演会「谷崎潤一郎と私」

ドナルド・キーン氏講演会「谷崎潤一郎と私」

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雄松堂アンティーク・ブックフェア

雄松堂アンティーク・ブックフェア

雄松堂フォーラム

雄松堂フォーラム

2011年の幕明けです。昨年日本書籍出版協会は“2010年を電子出版元年”と位置づけて大議論をスタートさせました。デジタル時代の幕明けです。出版業界は過去、出版社、印刷、製本、取次、書店で利益100%をそれぞれで分け合って発展してきましたが、最近はそこへソフト、ハード、広報など他分野の産業が加入してきた関係で、各業種取り分が下降しています。市場そのものが大きくなっている時なら問題はありませんが、市場規模はここ10年で30%減っていますし、新しいメデイアが活字本の減った分を補填しているわけではありません。書店は一気に大型化し、小型書店は次々に閉店しています。
 
雄松堂が過去半世紀にわたり努力し構築してきた、海外から専門洋書を輸入して国内の研究機関に販売していく仕事も、アマゾンの拡大など、ネット時代は営業活動にもいろいろと制約が多くなってきています。お客様のためにどうあるべきか、より正確により早く、適正な価格で資料を提供し、“情報はネットで、読む本は活字で”をモットーにしながら今後積極的な事業展開を考えています。
 
いよいよ雄松堂は2月1日から新しい時代に入ります。折からメデイアの大転換の時代と時を同じくしてのスタートです。ファミリー企業からDNP(大日本印刷)が主導する日本の書籍流通の大転換戦略を達成するために創業した、丸善CHIホールデイングス(東証1部上場企業)の参加企業となります。DNPの持つ大型のデジタル戦略、同時に参加した丸善の全国的なネットワークを駆使しながら、海外企業との共同作業、開発作業など夢の実現のため不況を一気に乗り切っていく所存です。
 
一方でアジアを無視した戦略は存在しません。今後アジアの国々と交流して相互の研究活動を応援していくには課題も待ち受けています。しかし私たちの基本は、過去に蓄積してきた地道な積み上げを美しく開花させることにあると思っております。転換期にありがちな奢りや、ネガテイブな発想を捨てて、一歩踏み出すことです。
2010年11月のイヴェントについて
昨年5月に新しいビルに拠点を移してから8か月過ぎました。これまで古書展の開催、ドナルド・キーン先生を招いての講演会、出版記念会、セミナーなど新ビルには延べ1000名もの皆様にお越しいただきました。また新ビルは丸善書店さんやジュンク堂さん、日本アジア協会の定例会議、地元企業の研修など活発にご利用いただき、坂町27番地に移動してからこの短い間に多く皆さまにご周知いただくこととなりました。
 
11月恒例の“図書館総合展”は第12回を迎え、国会図書館長や総務大臣等のご臨席を賜り、盛大に横浜で開催されました。現在大討議が続いている出版の未来、図書館の未来について話し合う充実したイヴェントとして、世界的にも話題になるところまで成長したと自負しております。この展示会の持つ中立性と先見性は、雄松堂の企業力を高める要因の一つになっています。当社の子会社であり、この行事の運営責任者であるカルチャージャパンの未来に期待したいと思っています。
 
私たちは世界中の業界の方から一緒に仕事をしたいという呼びかけに応えたいと思っています。日本やアジアに市場を求めている企業からのコンタクトを歓迎いたします。
 
2011年2月