Vol.68 “本”・・・11月の記録

未だ不鮮明な活字文化の未来

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図書館総合展の模様

図書館総合展の模様

11月10日-12日、横浜のパシフィコ展示場で開かれたJCC運営の第11回図書館総合展と本格的なセミナー、フォーラムには延べ24.000人を越す来場者があり盛会を極めました。出版者、製作者と国立国会図書館等が先導する文献のデジタル化の流れについては、コンテンツの保管、公平な利用、出版の自由等それぞれがその立場で未来を情熱的に提言しましたが、協力して新しい一歩を踏み出すという空気が感じられないのが残念でした。日本は遅れているのか?日本にとってデジタル化とIT化はどうあるべきなのか?などのテーマで、どのフォーラム会場も満員でした。グーグル文化は“善意”なのでしょうか、商業主義の究極の表現なのでしょうか。私は常に訴えていますが“ユーザーのための新時代、その中でフェアで前向きな競争”が求められます。

 

本のある時間

「本のある時間」トップページ

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YUSHODOとDNPが1年近く構想していた新しいポータルサイト計画が、11月10日同展会場で最初の編集会議においてトライアルテスト発信が公開されました。数多いブログの中で総合的に本の良さ、本の楽しさを皆で考えるための本格的なサイトを作り上げるために、著名な“本の伝道者”慶應義塾大学名誉教授、高宮利行先生を初代の編集長に就任していただき、第一歩を踏み出すことになりました。日本屈指の世界でも有数な“本”に関するサイトになると確信しています。

 

中国古書業界、期待と共に国際組織に加入

ILAB総会の一コマ

ILAB総会の一コマ

10月初旬オーストリアのウィーンで開かれたILAB(国際古書籍商連盟)の総会において、中国古書籍商協会(ABAPRC)は晴れて第23番目の加入国として承認されました。同時にロシア協会も加入したことも注目されます。歴史と伝統をもつ中国の活字文化、出版文化、今までややもすると日本を含む欧米諸国においても一部専門図書館や収集家を除いて、身近なものではなかった中国古典籍が古書展等に出現する日も近いかもしれません。未だ1911年(辛亥革命)以前のものは一切国外持ち出し禁止ですし、出版物取引そのものに諸規制があり自由な取引をする段階ではありませんが、今世界の市場から中国の図書館や業者が特に19世紀、中国から海外に流出した古典籍を積極的に買い戻していることは有名であり、これからが注目されます。

 

キリシタン版“金言集”発見について、新聞紙上で発表

キリシタン版“金言集”表紙

キリシタン版“金言集”表紙

11月15日の日本中の新聞紙上に共同通信発の記事として、中国国家図書館に保存されている(今のところこの一冊しか現存の記録はない)キリシタン版金言集を今年3月に私が訪中の際、同館を訪問した時に発見確認したと報じられました。今後同館と共同出版の型でファクシミリ版の刊行も計画されていますので、詳細についてはどうぞお問合せ下さい。
 
2009年12月