Vol.62 出版界はどう変わるか

11月にホテルニューオータニで行われた“デジタル時代の雑誌出版業界”そして、月末に横浜で開かれた“図書館総合展と学術情報サミット”での討議は、ある意味で新しい時代の幕開けを告げる画期的なイベントで、数年後評価されるものであったと思います。世界中の図書館が単なる活字文化の保管・保存の役割から脱してデジタル化による新しい役割を果たそうと動き出しています。紙媒体を脱して最初からデジタル発信による学術情報等が、特に数年前から科学技術分野の専門誌においてスタートし、既に英語を中心に世界中で5%くらいに達したと言われています。デジタルによる直接の交流が可能になり、国境を越えて一気に世界を駆け巡ります。
図書館がデジタルによってコンテンツを発信すれば、国境を越えて世界中で容易にアクセスでき、図書館自身がオンデマンド出版社の役割を果たすことが可能になります。もちろん出版社が原稿を集め、編集し、印刷し、流通ルートへ、そしてユーザーの手にわたすというその間のエネルギーやコストが非常に大きいことは誰でもわかっていますが、単純に“著作権、出版権、編集権”を主張してユーザーが利用しにくい状態を続けることはIT時代には許されないかもしれません。“どんどん使ってください、しかし使用料を負担してください”これからはこの基本方針に転換せざるを得ないでしょう。
文芸物等の著作は著者の著作権が確立していますし、学術書型のものについては出版社の大きな負担によって支えられています。
いずれにせよ、一人一人、個々の出版社、一つ一つの国立図書館が別々に独自のシステムを発信することはユーザーにとっては不便なことです。国会図書館をはじめ図書館の役割や国の役割を考え直し、業界、国が一体となって正確な大型のサーチエンジンを伴うプラットフォームを作ることが期待されます。
 

第10回 図書館総合展 学術情報オープンサミット2008

第10回 図書館総合展
学術情報オープンサミット2008

公開セミナー 「日中関係史研究に新視角をもたらす張学良文書」

公開セミナー
「日中関係史研究に新視角をもたらす張学良文書」

シンポジウム 「デジタル・ネット時代における著作権のありかた」

シンポジウム
「デジタル・ネット時代における著作権のありかた」

図書館総合展 雄松堂ブース

図書館総合展 雄松堂ブース


 
2008年12月