Vol.52 中国古書市場へのチャレンジ

中国古書市場へのチャレンジ

最近、中国の大学図書館を訪ねたアメリカの著名な図書館人から、北京や上海の有名な図書館の貴重室(中国では古籍と言う)を訪ねた印象についてお聞きする機会がありました。
今中国は、国をあげて地方に散らばっている古書籍を集めて整理することに一生懸命のようです。また、古籍室には質量共に膨大な貴重書が整然と保存されていたことにも驚かれたそうです。
 
20世紀中国の政治事情で、超貴重本は日本や欧米に流出したとも言われ、事実日本や欧米の幾つかの図書館や文庫には印刷史上著名な宗元代の活字本が収納されていることも知られています。しかし、現在の中国の図書館にもまた予想している以上の善本、古書等が集まりつつあることは、やはり中国の大きさ、奥の深さを証明するものかもしれません。
ところで、改めて確認したことなのですが、同じように異文化、異言語で西欧諸国とは全く違う言語、文化、歴史を持つ日本の図書館が、世界でも有名な西欧文化の発達に寄与した高価な書物をコレクションとして購入してきたにもかかわらず、それらのの蔵書は中国にはほとんど存在しないようでした。
 
最近2、3の欧米の古書業者に中国の資産家から著名な貴重書の注文がありました。図書館からオリンピック開催までにまとめて購入したいと依頼があった等の情報が流れました。ちょうど1970年代日本の図書館や収集家が良質の古書を買い始めたことに欧米の古書店が注目し、私共の日本の出版業界もそれに対応して努力したおかげで、当時マーケットの拡大とともに日本の地位を急速に向上させた実績があります。
 
私と交流のあるHong Kong唯一の大型洋書専門店のオーナーである“Liさん”が上海や北京で古書展を開催する前に、Hong Kongで一度古書展を開催してみよう(1990年代の終わり頃、同氏とYUSHODOは洋古書展をHong Kongで開いた経緯がある)と話を持ちかけてくれたのをきっかけに現在ILAB(国際古書籍商連盟)の理事であるオーストラリアの“ファインさん”と私の3人で、Hong Kongでの可能性に期待して、まずHong Kongでトライしてみようと話し合ったのが昨年12月のことでした。
ILABに加盟していない場所での開催なのでILAB公認ではないのですが、逆に未加盟の地域、たとえば中国、香港、シンガポール、タイ等の古書展も出展するメリットもあり、私たち3人で全てのリスクを背負っていけば、なんとか年内の開催にこぎつけるまでに至りました。その間の細かい準備等の事情は別として、下記のとおり、3月下旬に世界中にNETで参加募集を呼びかけたところ、わずか1週間で多くの申込が殺到し、開催実現はほぼ確実となりました。
 
CHINA FIRST INTERNATIONAL ANTIQUARIAN BOOKFAIR
HONG KONG 2007
At Royal Place Conference Center, HONG KONG Nov. 30, Dec. 1, 2

 
2007年4月