Vol.49 二つの国際会議に参加して

二つの国際会議に参加して

IFLA(国際図書館連盟)ソウル大会 雄松堂ブース
8月、9月、私は本に関する二つの国際会議に参加し、発言する機会を得ました。
全く違う切り口から見た本に関する会議ですが、それぞれが強く関係しあって新しい時代に入ってきたことを痛感しました。
8月18日から韓国のソウルでIFLA(国際図書館連盟)の年次大会が開かれました。
当社も実行委員会からの強い要請があり、併設開催された“展示会”にブースを申し込んで参加しました。今回、日本からも多数参加されたようで、多くの方々が来場され励ましていただきました。実感したのは、欧米からの参加ブースの図書館市場に向けて提案している内容が、10年位前と全く変わってきていることです。今、図書館界は業界とデータという一本の線で結ばれ、主導権の取り合いになっているようです。気をつけないとその中に埋没しかねない危機感を抱きました。時間の制約はありましたが、幾つかの分科会に参加しましたので、(A)に感想を書かせていただきました。
 

IFLA(国際図書館連盟)ソウル大会 雄松堂ブース

IFLA(国際図書館連盟)ソウル大会 雄松堂ブース


 

(A)IFLA大会

(1)インターネットとは?
 1. TV、Radioの役割
 2. 講演、講義、セミナーの役割
 3. 書籍、雑誌の役割
技術通信手段がますます進歩して、インターネットが上記の役割を完全にこなせるであろう。1,2,3それぞれがこれからの時代で存在価値をどう示せるかが焦点であった。(光と影)
 
(2)著作権については技術の進歩にあわせて諸外国ともそれなりに法規を改正してきているが、技術の進歩に追いつくのは無理であろう。従って法律そのものがかなりあいまいであるのが当然で、それぞれが都合よく解釈する傾向がある。裁判になり、最終的に最高裁までいくかもしれない。従ってケースバイケースで当事者同志がそれぞれ解決していくしかない。
 
(3)ITが情報伝達の手段となり始めた1990年代初め頃、図書館員(大学院)への志向が急速に低下したが、この数年、情報学として再び人気が上昇した。これからの図書館はどうしたら限られた予算で多くの情報を取得できるか、出版社や情報発信者と条件(価格)についてハードな交渉をする能力が問われる。
又、自らが所有するコンテンツをどう収益に結びつけることができるかを工作できる人が求められる。(政府、企業との協力、予算獲得等の能力)
 

(B)ILAB加盟国会長会議

9月8日からアメリカ、デラウエア州、Wilmingtonで開かれたILAB(国際古書籍商連盟)の臨時加盟国会長会議に、ILABのMember of Honour として、又ABAJ(日本古書籍商協会)、ABAK(韓国古書籍商協会)両協会の委任状を持参して参加しました。ILABは今年9月、フィラデルフィアで総会を開く予定でしたが、参加申し込みが少なく、突然キャンセルになってしまったいきさつがあります。約2,000の古書店が加盟し、世界20カ国の協会によって構成され、戦後、古書の国際流通に大きな役割を演じてきたILABが、IT化の時代の中で果たす役割について再構築する時を迎えています。基本的に英語圏を中心に運営されてきたILABの在り方について、ヨーロッパやアジアの加盟国から問題提起も多くなってきており、曲がり角にきているように感じました。約40年、加盟以来ILABにそれなりに貢献してきたABAJとして、これからの立場をはっきりとさせる時にきています。
 
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ソウル郊外にあるテーマパーク「サムスン・エバーランド」の中にある「イソップ館」に弊社の納入しましたイソップ物語の古書が数点展示されていました。

ソウル郊外にあるテーマパーク「サムスン・エバーランド」の中にある「イソップ館」に
弊社の納入しましたイソップ物語の古書が数点展示されていました。

 
2006年10月