Vol.38 古書の秋・・・そして来春へ

師走に入りました。書籍の業界も“不況だ不況だ”との声がそこかしこで聞こえた一年でしたが、世界のあちらこちらで“やはり本は良い、美しい古書は良い”と言う声も聞こえ始めています。私も業界にある者として気をひきしめて努力を続けるつもりです。
 
9月の末にイタリアのベニスでAIB(国際ビブリオフィル協会)の大会が開かれ、世界中から集まった150名位の愛書家の一人として参加してきました。多くの図書館や個人蔵書を見る機会に恵まれましたが、マルシアナ図書館では“キリシタン版”を手にとって見ることができました。又、ベニスに向かう前、ポーランドのペルプリン司教座印刷局から招かれ、現在、私共で世界中にPR中のペルプリン神学校図書館所有の“グーテンベルク聖書”のファクシミリ版について、そして来年計画されている“ショパンの自筆楽譜”について、種々の相談をしてきました。ワルシャワの国立図書館の貴重書もかなり充実してきているようです。同館館長から蔵書目録を日本の国立国会図書館へと託され、先日お届けしてまいりました。印刷技術は勿論、文化史に強い関心のあるポーランドの人達と仕事ができて幸せに思っています。
 
帰国してすぐ、今度はオーストラリアのメルボルンで開かれたILAB(国際古書籍商連盟)の総会、古書展に、加盟団体ABAJ(日本古書籍商協会)の会長として参加してきました。図書館からの古書盗難の問題、オンライン時代の古書業界の展望等、私達の業界も大きな時代の変化の中にあること、そして“文化財”を取り扱う業者としての誇りと責任を感じました。
 
ABAJのホームページ(http://www.abaj.gr.jp)でも近く公式にご案内いたしますが、来年の1月は海外からも多くの出展参加協力を得て、本格的な“古書展”をしかも六本木ヒルズ49Fというユニークな会場で、28、29の両日開催いたしますので、ご来場をお待ちしております。
 

kai

ワルシャワ、ポーランド国立図書館 “ショパンの自筆楽譜”


 
2004年12月