Vol.26 創業70周年にあたって

雄松堂書店は今年創業70周年を迎えました。
5月にはチャーチル元英国首相のお孫さんを招いてYUSHODO FORUM 2002 として東京と京都で講演会を開催し、去る11月20日には東京のホテルグランドパレスに海外からの25名を含む500名近い方々をお招きして“感謝の集い”を開きました。そこへご来場の皆様へ私から次のような“ごあいさつ”をさせていただきました。
 

トーク「古書収集の愉しみ」

トーク「古書収集の愉しみ」


古楽器演奏

古楽器演奏

 
1932年に私の父が神保町に古書店を創業し、戦争で中断しましたが、1960年、四谷で外国の専門書を輸入する業務を始めました。今年は通算70年、人生で言えば古稀にあたります。いろいろありましたが、“古く稀である”というところまで一筋に仕事を続けてこられたのは、皆様からのご支援のおかげです。ただただ頭の下がる思いです。 

今日お越しいただいた図書館関係の方々、特に人文社会科学系の先生方、愛書家、コレクターの皆さん、そして出版関係、書店関係、古書店関係の常にお付き合いいただいている方々、また私共と長い間お取引きいただいた取引業者、銀行関係の皆様、最後に私共を側面から温かく支えて下さった知人、友人、また株主の皆様、改めて70周年にあたり、会社を代表し心から感謝申し上げます。またお帰りにお持ちいただく冊子に収録させていただきました内外各方面からの多数の“お祝い”メッセージ、また本日たくさんの祝電等をいただき、ありがとうございました。

さて、私共の仕事は海外の出版社、古書店の皆様と信頼関係の上に立ってお付き合いいただくことから始まりました。またそれが現在のビジネスの根源でもあります。海外の親しい方々に、この機会にぜひ日本に来て下さいとお誘いしましたところ、非常にたくさんの方々がお越し下さいました。本屋という仕事は個人対個人の強い絆で結ばれるものです。これからも友好を深めていきたいと思っています。
 

レセプション会場の様子

レセプション会場の様子


創業70周年記念古書展

創業70周年記念古書展


 
普通、このような周年記念の行事には“これからもなお一層発展しますのでよろしく”とメッセージを発して今後ともよろしくと言うのが通例ですが、あえて私は“雄松堂はさらにスリム化を進め、なお一層専門に徹して世界に存在価値のある小さくてもユニークであるべき”と次の世代の人達に申し送るつもりでいます。大きくするよりも専門に徹することがどんなに難しいことかはご存知の通りです。皆様、今後ともよろしくご指導下さい。

今日11月20日、私達は雄松堂ビジネスの根源である“古いもの”に徹した企画にしました。同じフロアーでクリスティーズとの協力による“古書の鑑定会”、また海外古書店と協力して“稀覯書70点の展示”、そしてこれから第一部イベントとして皆さんよくご存知の日本を代表するビブリオフィルであり、コレクターである渡部昇一氏、荒俣宏氏による「古書収集の愉しみ」というトーク、18世紀の古典音楽、そして今回第3回を迎え、本日午後、図書館総合展の会場において授賞式を行いましたゲスナー賞の受賞作品をご紹介させていただきます。“本に関する本”、“目録・索引”、このような地味で時間と労力のかかる作業に努力され、今回135点、第1回から通算400点に近い応募があったことに感謝しています。またこの賞にあたり紀田順一郎、高宮利行、林望三審査員、ゲスナー委員の皆様、またご協賛いただいている日本図書館協会に対し厚く御礼申し上げます。

今後ともよろしくお願いいたします。
 
2002年12月