Vol.1 雄松堂グループホームページを開くにあたって

雄松堂グループホームページを開くにあたって

日本はブームが起きると一気に加速するので当然かもしれませんが、昨今のインターネットへの関心は予想もしていませんでした。 実質的には情報提供の内容よりも、むしろマスコミ中心のハード面のPRに私達が若干踊らされているような気がすることもあります。 実際にはほとんど知識もなく対応したことのない人まで、知ったような態度をとらないと時代遅れのような錯覚に陥ることさえあります。
しかし、最近やっと本格的な専門的情報がインターネットに流れるようになってきたことは事実です。 私共のような“学術情報の専門店”にとっては受信・発信含め、有効なコミュニケーションの手段として前向きに活用していく時が到来したと思っています。
社内の英知を集め、それなりに“雄松堂のインターネット情報は役に立つ”と専門家の皆様から評価をいただけるよう努力して参ります。

双方の努力なしに情報の充実は不可能です。よろしくご協力お願いします。
 

雄松堂ならではの情報を

10月20日開設の雄松堂のホームページには他のホームページからは得られない海外情報も私から簡単にニュースとして提供していきたいと思います。

実は、この9月末~10月初めにかけて“本”に関する重要な国際的イベントがヨーロッパの3カ所で開かれ、日程がうまく調整できましたので、私はその全てに参加する幸運を得ました。
 

国際ビブリオフィル協会

9月27日~10月1日まで北イタリアのトリノで“国際ビブリオフィル協会”の年次大会が開かれ、150余名が12カ国から参加しました。通称”AIB”と呼ばれるこの組織はパリの国立図書館の中に本部をおき、世界20カ国350名位のメンバーで構成されています。簡単に言えば“愛書家の集い”です。蔵書家であり、書誌学者であり、ライブラリアンであり、書籍/印刷等の業界人であり、共通点は“愛書家”であることです。会員それぞれが地位、職業上、各国でかなり重要なポストの人が多く、特にヨーロッパ、EUの文化政策に影響がある会と言われています。この会がなんと来年9月末、日本で第21回の大会を開くことになりました。英文学者であり作家の渡部昇一先生を実行委員長に、私も事務局長として協力することになりました。来秋、マスコミでも話題を集め、日本の文化、出版に何か影響を与える会議になるかもしれません。
 

フランクフルト書籍見本市

10月7日~12日までは恒例のフランクフルト書籍見本市です。5,000を越すブースと10万人近い人が毎年フランクフルトに集まります。“本”を職にしている人は必ず顔を出すことが義務づけられているイベントです。もちろん活発な著作権売買等の商談も盛んですが、最近あまり大きくなり過ぎ、ホテル、交通事情も混雑し、ゆっくり話しをする場ではなくなってきている感もあります。

 世界の出版界はますます大手が中小を吸収し拡大化し、その中で専門的な出版社が健闘しているという現状です。一方、新しいメディアの進歩はメーカー型の他業界からの参入もあり、良きにつけ悪しきにつけ転換期、混乱期かもしれません。
 

稀覯書業界の今

出版界が大きく変貌している中で、稀覯書の業界は景気や時代の動向にあまり影響はないと言われていたのですが、50年来の平和と国際化は、貴重な文化財としての本が図書館等、公共の機関に入ってしまうことで、良い本であればあるほど品不足になり、世界市場で数冊しかないようなものがどんどん高くなっています。最近、アメリカの大富豪ポール・ゲッティー氏が約10億円で15世紀のカクストン版チョーサー「カンタベリー物語」を購入したことには驚かされました。
 

国際古書籍連盟の協会

10月4日~11日はウィーンで国際古書籍商連盟の大会、古書展が開かれます。売る方も買う方も今までと若干顔ぶれが変わってきています。円高時代、日本で買ったものが、円安となり2、3倍で又海外に売られていくというニュースも入って来ました。

 “本”の近くにいる楽しさ、充実感、そんな空気をお客様に送り続けることの出来る会社造りに雄松堂は今後も努力していきます。
 
1998年10月