ベッドフォードの絵師の詳細な描写による中世の自然と人間との関わり
フェビュス「狩りの書」パリ616番写本 ファクシミリ版 総革装
Livre de Chasse de Gaston Fébus.: Bibliothèque Nationale de France, Paris. Ms. Français 616. (Paris, c.1400)

価格:1,944,000円(税別)

※注釈巻未刊(英訳編集中)

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限定987部

発行年月:2017/11

言語:French, Middle (ca.1400-1600) (中世フランス語)

媒体:書籍(ファクシミリ版)

内容

南フランスのショーヴェ洞窟の壁画に見られる数万年前の人類最古の現存絵画から、人類の創造力は狩りと動物の姿を描いてきました。古代に炭から浮き彫り、陶器、彫像、モザイク、フレスコ画に権力の象徴として描き込まれてきた王族・貴族の狩りは、中世に神聖ローマ皇帝フリードリッヒⅡ世の鷹狩の書、ミラノ公ジャン・ガレアッツォ・ヴィスコンティの祈祷書に取り込まれるなど、細密画写本として跳び出すようになります。

 

本書は、南仏フォワ伯ガストンⅢ世(1331-1391)によって1387~89年に制作され、ベリー公ジャンの弟であり、豪胆公と呼ばれたヴァロア家初代ブルゴーニュ公フィリップⅡ世(1342-1404)に捧げられた狩猟の書。フォワ伯(フェビュス)は難しい気質で、とりわけ狩りと狩猟本と鷹狩りに目がなく、労を惜しまず書き上げた「狩りの書」は、16世紀末まで狩猟愛好家のバイブルとして継承されました。様々な種類の動物と自然の正確な描写を伴って巧みに制作されたこの書は、後世フランスの博物学者ジョルジュ・ビュフォン(1707-1788)自身がその大著「博物誌」の根幹を成したと言って憚らない中世の名著であり、44現存する写本のなかでも、フランス国立図書館蔵仏写本616番の写本は、間違いなく最も美しく完全なもので、その紙葉は15世紀初頭のパリの彩飾術の好例にあたる魅力的な87の細密画に彩られ、正に時祷書と同等の装飾性をもつ数少ない狩猟の書を代表する写本です。

 

7章と序章・終章で構成される、様々な動物の狩りを、猟犬によっていかに成功させるかということを、特に若い読者を意図して書かれたハンターマニュアルであり、ハンターの忠実なみかたである猟犬について特に、その性質、訓練、エサのやり方、病気の治療にいたるまで詳述されています。細密画は、ベッドフォード派の複数の絵師によるもので、中でも国際ゴシックの画風を示す、アデルフィの絵師のスタイルが際立っており、他に、ランブール兄弟のスタイルを模したエジャトンの絵師、一般的なベッドフォード派のスムーズさから外れた濃い質感を描き込んだ「愛の神への書簡」の絵師等の共同作業が見られます。

特記事項

その他書誌事項:Folio (37 x 27 cm). 218 ff. incl. 87 miniatures of hunting scenes, French text in gothic script, bound in morocco. To be accompanied with a full-colour commentary volume due in later 2019. Facsimile Edition. Limited to 987 copies.

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